- COLUMN
小さなものづくりの記録 vol.4
今回ご一緒した青山絵理さんとものづくりを振り返ります。
記録は今回で最後になります。
おかげさまで、受注期間が終了したあともお問い合わせを頂き予定より少し長く対応して頂きました。
アクセサリー作りはもちろん、体づくりのプロでもあり二児の母でもある絵理さんの仕事との付き合い方、大切にしていること、日常で感じることを今回のものづくりも振り返りながらお聞きしお話させて頂きました。
小川(以下、O.)
今回はありがとうございました。
納期に幅をいただき、受注制作(オーダーを受けてから制作)という形で5種類のアクセサリーを販売させてもらいました。
制作期間中はどうでしたか?
絵理さん(以下、E.)
まず、ゆっくりでも手に取りたいと思って下さったお気持ちが有り難くお客様に感謝です。
自分のことでいうと制作の優先順位が自然と上位になって、瞬発力と隙間時間に対する集中力が増した自分を感じられたことが発見で。
直接お客様の温度を感じて制作に入れたことも充実感があり、刺激になりました。
O.受注会、楽しかったですね。
最初にお誘いした時、すごくお客様や私、周りに迷惑をかけないかを気にしてくれていましたよね。
E.中途半端になるのが申し訳なく、子供の状態によって制作スピードが変わる不安が大きくて。子供の性格や環境によって悩みも違うので、子を持つ親同士でもなかなか理解できない部分があるけれどさきちゃんは互いの子供もよく知っていて、分かってくれてる安心感、話し込めている関係性の安心感が大きかったのでチャレンジさせてもらいました。
O.ありがとうございます。
同じ親同士でも話をしてみないとわからないことは確かにたくさんありますよね。そんなに互いを知れるほど母親同士時間がないし…。
E.そうですね。
あと、今回ゆっくりでも自分のペースで前に進むことが大事なんだなと思いました。
O.自分のペースを見つけることって意外と難しいですよね。
E.そうなんです。やってみる前に周りや以前の自分と比較してしまって動けなかったり。同じ様にできない動けないって。ついつい今までの自分の知っている生きるスピードと比べてしまうので。やってみてわかったことばかりでした。
ペースとバランス、さきちゃんはどう考えてやってますか?
O.まだまだ毎週毎月、バランスは試行錯誤していて…。振り返ると、出産をして丸ごと変わってることと、変わらない自分の大事なことを受け止めて知っていく時間が必要だったなぁと思っていて。
自分が望むことを噛み砕いていくとその内容が細かく分かってきて、今までのペースや感じていた幸せが比較する対象でないこと、そもそも比較することでもないことに気がついて楽になれたかもしれないです。
ちょっと丁寧に自分の優先順位に沿って生活してみると比較から解放されて、自分に軸が戻ってくる感覚があるので気持ちに違和感を感じたらそうやってできるだけ過ごすようにして、ペースとバランスを見直すようにしている様に思います。止まることは勇気がいるけれど、そうしないと何が大切かすぐにわからなくなってしまうから。
E.今目の前のことを大事にするということですよね。自分の時間はものすごく大事。本当はどうしたいかとか、子供のことが先に来て忘れがち。
O.今年も互いの子供の体調不良や学級閉鎖など色々なことがあったけれど、制作はいつされていましたか?
E.昼間にトレーニングするときは夜作ることが多くて、トレーニングしていないときは昼間に。落ち着いて一気に作りたいときは深夜に。でも全部子供次第。夜に子供が起きてしまったらできないし、子供達のメンタルが不安定だと自分もどうしても影響を受けてしまいます。
O.幼児期よりだいぶやることは少なくなっているけれど、影響を受ける気持ちわかります。
予想外のことに心身を切り替える方法がわかっていても実行に移せない虚無感みたいなものは何年経っても慣れないし変わらないなと。
E.急な変更は子供だし体調や機嫌に左右されることは仕方ないと頭でわかっていても、体や心に疲労は溜まっていくことは変わらないですよね。
11歳の今は思春期の入口で言うことは大人みたい。幼児期と同じようにご機嫌斜めでも(笑)体も声も大きくて全く別物で、子供扱いしてほしくないという意思もあるし、でも甘えたいという気持ちもあるしでなかなか。
O.わかり過ぎる。(涙)
心外問題の多発24hが落ちついたら、色々なことが本当に変わっていくんだろうなと思います。大人のような子供と互いをさらけ出して毎日ぶつかるのはなかなかエキセントリックですよね。それぞれの年齢にそれはありそう。
今年は、学級閉鎖も多くて。
1年目は学級閉鎖時、濃厚接触者に対して外出制限のお知らせがあったりしたけれど今はそういうものもなく、家庭の判断に任されているという感じで余計に悩みましたよね。
E.上の子が学級閉鎖で下の子は閉鎖になってはいないとき、あとどちらも無症状の時とか悩みますよね。習い事の外出とかもどうしようってなります。どうしても会えない時はポストでやりとりもして。
O.スケジュールは予定通りにいくことはなくて常に変動する可能性が高い中で動いてるから、絵理ちゃん宅が自分の普段の行動圏内なのも有り難かったです。
E.日常のバランスをとりながら進めるのは、ケアする人間がいる場合自分の意思とは別の所で常に変動する流れがあって…。なかなか決まった形は見つけにくいですね。そこにどれだけ比重を置くかだけど、他人にケアを任せられない状況がコロナ禍では頻発しました。
O.トレーニングは絵理ちゃんにとって、大切な心身の軸になっているんだなと思ったのですがかなり生活の中心になっていますか?
E.時期によるのですが、自分の気持ちが向かない時もあります。それも子供による部分が大きくて、育児がスムーズにいかないときは精神的にもまいってしまって体がついていかなくなり、行動に移せなくなることがたくさんありますね。でも、気持ちのリフレッシュにとても大事です。
O.リフレッシュは大事にしたいですよね。心がけていることはありますか?
E.なんでも楽しむこと。
O.それはすごく伝わってきます。疲れてる絵理ちゃんに私は一度も会ったことがない。絶対色々な時があるはずなのに、それを表に出さないのはすごいことだなといつも思っています。
E.ありがとう。1人の時間やお出かけをアップすることが多いとsnsの世界そのままに思われてしまうこともあるけれどまだ、1人の時間は本当に貴重な時間。当たり前には訪れない。
O.ずっと見てるけど潔いほど本当に子供ファーストだからその潔さに、自分はどうしたいのかな?って自分のバランスを考えさせてもらっています。
E.あと最近思ったのは、もっと仕事をしたいと思いながらもこうありたいと望んだゆえに今のやり方を選んでるとも言えるのかなということ。例えば仕事で授業参観に行けないのは私は悲しいタイプなんだけど、そういった自分の「こうしたい」を色々考えてみると結構現状やれてる自分もいる。
O.確かに。仕事ややりたいことが進まないと思ってしまうときは、できていることを数えてみたらいいかも。守れているものや望んだことがその中には必ずありますね。できていないことばかりじゃない。
むっとしたり悲しかったりイライラしたり。
そういう時、自分のなかの譲れない何かや縛っている価値観を見つけることができるなと思っています。誰かと比べてそれがしたいのか、自分が本当に望んでいるかの見極めは大事だなぁと感じていて。
この話も、聞いた人読んだ人がそれぞれにプラスでもマイナスでも心が動いた部分を自分の心に「なんで?」と聞いてくれたら嬉しいなと思っています。
E.育児の話は人間の話だなと思っていて、特に今は我が子は幼児期を過ぎてさらに人格形成されてきていて。
O.人対人がずっと向き合い続けて自分を問われている話、みたいな感じがしますよね。
育児を中心とした仕事の話の様だけど、対大人、対人、でも同じことが言えるなと話しながら感じたポイントがたくさんありました。
改めて。今後はどんな風になって行きたいですか?
E.一つの作品が誰かの手に渡り、ありがとうって言われた一言が本当にびっくりするくらい日常を頑張れる原動力になるのでその気持ちを忘れずに続けて行きたいなと思います。
今後は大切なものを守りながら形にしていきたい。
いつかは自分のお店をもつ事が夢なので自分のペースで頑張っていきたいです。
手にして頂いた皆さん、お問い合わせ頂いた皆様、本当にありがとうございました。
O.こちらこそ、ありがとうございました!