- COLUMN
- フィトテラピーについて
嗅覚と本能
台風前。
少しずつ雲の流れが早くなるように、
気持ちもそわそわしてきている。
台風、満月、潮の満ち引きは女性の身体に
とても影響を与える三大自然現象。
助産師の姉もそこはお産がぐっと増えるので
それらを必ずチェックしていると話していた。
私も生理周期が整ってきたら月の満ち欠けに沿うようになっている。
ある意味支配されているけれど
そのくらいの気持ちでいた方が楽な気持ちで
過ごせることが多い様に思う。
対策も立てられる。
昨日から、外の物を片付けて台風対策をして心の対策も。
家に籠もりがちになるので視覚と嗅覚、
触覚を同時に癒せるとってもスーパー乙女な薔薇を少し。
精油はほんの一滴、花は一輪だってその場の空気を変えてくれる。
精油はもともと花や植物の産物。
フィトテラピーの本質だと思う。
そんな嗅覚と本能の話。
嗅覚は、五感の中でも「本能」を司る大脳辺縁系に最短距離で到達する。
つまり嗅覚は、最も本能に働きかけ心の声を聞くことができる感覚器官。
詳しいルートを少し説明すると。
精油を吸い込むと鼻の奥の上にある粘膜に付着。
そこで嗅毛にキャッチされるとその成分の情報が電気信号に置き換えられて大脳に伝わり
匂いとして認識される。
大脳の中を見てみると…
大脳辺縁系→視床下部に伝えられる。
わかりやすくするとこんな感じ。
(nemuri-lab.jpさんからお借りしました)
大脳辺縁系は、感情や欲求など本能に深く関わる場所。
記憶を司る場所でもある。
(ある香りを嗅いだら誰かを思い出したりするのはこれ)
視床下部は、体温や自律神経を整えたりホルモンバランスを調節する場所。
この二つの関係は心の動きが体へ影響を与える重要なライン。
脳が心地よいと感じれば、
その先にある自律神経系やホルモンへも心地よさの信号が送られ、
全身へと影響を与えていく。
難しい話が続いてしまいましたが。
無意識のうちに、香りに心動かされ私たちはそれを選んでいる。
選ぶ香りで今の自分が見えたりもする。
本能のまま、いつだって動けるわけではないから
解き放つ様な感覚で香りを選んで欲しいなといつも思っている。
また精油は分子が小さいため、
皮膚から経由した場合には血管まで到達でき、血流にのり全身に行き渡り作用する。
特定の精油を嗅ぐことによって、
それに応じたホルモンの分泌量の増減や
血流に与える影響もデータとしてきちんとある実はとても化学な世界。
フランスではお医者様が処方箋としてハーブや植物を利用し、
薬剤師さんも含めた医療従事者が専門課程を学ぶ一つの学問。
精油の成分が取り込まれるルートは
嗅覚(鼻)以外に
呼吸器系(肺)を経由して血液へ、
皮膚を経由して血液、リンパへと
3種類ある。
様々なところから私たちの体内に取り込まれ、本能に働きかけるアロマセラピーだからこそ質がとても大切な精油。
こちらはたくさん質問をうけるので、
何をどう選ぶのか精油の品質についても書いていこうと思っています。
嗅覚と本能の話で一つ小話。
我が家の長男の夢はプロテニスプレイヤー。
毎日のようにテニスに行くのでアフターケアで寝る前に足を中心に私のオイルマッサージを受けている。
テニスチームに入りたての頃
筋肉痛が酷く、動けなくなり階段も降りられなくなってしまったことがきっかけ。
精油も6歳以上なら容量を守りながら芳香浴(香りを嗅ぐこと)以外にも使いやすくなる。
フィトテラピーではチンキやハーブシロップなど色々な植物の力を取り入れる方法があるけれど、
ハーブがたくさん入った食べ物や飲み物は口に合わないらしくまだ飲めない。
でも、精油には好意的。
筋肉痛や火照りを取る精油を最初は何これ?と言っていたけれど今は良い香り(たぶん今彼に必要だから)だと言い、
マッサージし始めてすぐに眠る。
マッサージを始めてから歩けなくなる日は今のところない。
香りの選別もできるようになってきて、
これラベンダー?と聞いてリクエストしたり選んでいる。
そして1日の終わりに話を聞いていると、
その日のテンションや出来事にマッチしている。
子供は、元々本能で生きているとよく言われるけれど本物の香りをかぐことで
本能をリリースする力を鍛えて
大人になっていく時に
自分はこれが好き!あれがしたい!という
自分から湧き上がる素直な欲求を感じ取れるようになることにも繋がるのではないかなぁと期待を込めて見守っている。
「香育」という言葉があるのだけれど、良い言葉だなと思う。